ACミランの本田圭祐選手が出場機会を失い、契約の切れる2017年夏には他チームへ移籍すると言われて久しい。
海外サッカーのファンであれば耳馴染みのある”移籍金”というキーワードだが、世界のスタート日本人選手、そして海外リーグとJリーグではどのような特徴や違いがあるのか。
今回は移籍金初心者の方に向けて、歴代移籍金のデータをもとに、それらの特徴をご紹介してみたい。
海外日本人選手の移籍金
中田英寿選手の成功を皮切りに、近年では海外へチャレンジする日本人選手もだいぶ増えてきた。
香川真司選手のようにこれまで日本人が到達したことの無いようなビッグクラブに移籍する選手も登場したりと、日本人選手への待遇も侮れない。
まず歴代の高額移籍金の上位5人は以下のような内容だ。
1)中田英寿
2200万ユーロ(約29億7000万円)
ペルージャ → ローマ(2000年1月)
2600万ユーロ(約35億1000万円)
ローマ → パルマ(2001年7月)
2)香川真司
1600万ユーロ(約21億6000万円)ドルトムント → マンチェスター・ユナイテッド(2012年7月)
800万ユーロ(約10億8000万円)
マンチェスター・ユナイテッド → ドルトムント(2014年8月)
3)岡崎慎司
950万ユーロ(約12億8250万円)
マインツ→ レスター・シティ(2015年7月)
4)本田圭佑
900万ユーロ(約12億1500万円)
VVVフェンロ → CSKAモスクワ(2010年1月)
5)長友佑都
6億7000万円
チェゼーナ → インテル・ミラノ(2011年)
ちなみに話題の本田圭祐選手は、CSKAモスクワからACミランへの移籍の際には大々的に記者会見を行ったが、契約満了での移籍となったため、ミランが支払った移籍金としてはゼロ。
通常スター選手が移籍する際には移籍金も話題になることが多く、その額で移籍の大きさが計れたりもするが、そういった意味では、ミランと本田選手は移籍金ゼロ移籍とはいえ上手にメディアを盛り上げた、と言えるかもしれない。
ちなみに6位以降は以下のように続く。
6)清武弘嗣
6億円
ニュルンベルク → ハノーファー96(2014年)
7)中村俊輔
5億5000万円
レッジーナ → セルティック(2005年)
8)小野伸二
4億5000万円
浦和レッドダイヤモンズ → フェイエノールト(2001年)
9)武藤嘉紀
4億円
FC東京 → マインツ(2015)
ちなみに1977年、日本人で初のブンデスリーガープレーヤーとなった奥寺康彦選手の移籍金は3000万円、年俸は2500万円と言われている。
奥寺選手を獲得したケルンは古巣の古川電工に、当時では破格の待遇で迎えるべくこの移籍金と年俸を支払ったのだそうだ。すごい。
世界のスター選手たちの移籍金
海外サッカーのスター選手たちはその移籍金も破格。
ビッグクラブはすでに完成された選手を即戦力として買うため、当然移籍金や年俸もものすごい額に。
以下は上位5人の移籍金だが、それにしても、桁外れの金額だ。
1)ポール・ポグバ
ユヴェントスFC → マンチェスター・ユナイテッドFC(2016年)
8900万ポンド(約127億2700万円)
2)ガレス・ベイル
トッテナム・ホットスパーFC → レアル・マドリード(2013年)
8530万円(約121億9790万円)
3)クリスティアーノ・ロナウド
マンチェスター・ユナイテッドFC → レアル・マドリード(2009年)
8370万ポンド(119億6910万円)
4)ゴンサロ・イグアイン
ナポリ → ユヴェントス移籍(2016年)
7530万ポンド(約107億6790万円)
5)ルイス・スアレス
リヴァプール → バルセロナ(2014年)
7500万ポンド(約107億2500万円)
1位のポール・ポグバはもともとマンチェスター・ユナイテッドの下部組織に所属していたが、出場機会を求めてゼロ円で移籍した経歴がある。
そして大きく育ったポグバ選手をこの金額で買い戻す、マンチェスター・ユナイテッドの懐の大きさにも驚くばかり。
Jリーグの移籍金
そしてJリーグ。
2017年よりdaznが放映権を獲得したことにより、リーグに大きなお金が入った。
これによりドイツのポドルスキを筆頭に、中村俊輔選手など有名選手の移籍も目立った。
今後も増えていくかもしれないが、これまでのJリーグ高額移籍金のランキングは以下の通り。
1)清武 弘嗣(日本代表)
6億円
セビージャ(スペイン) → セレッソ大阪(2017年)
2)イルハン・マンスズ(元トルコ代表/現役引退)
4億8000万円
ベシクタシュ(トルコ) → ヴィッセル神戸(2004年)
3)ディエゴ(ブラジル/モンテディオ山形)
4億5000万円
東京ヴェルディ→京都サンガFC(2009年)
4)ドゥドゥ・セアレンセ(元ブラジル代表/ボタフォゴ)
4億3000万円
ヴィトーリア → 柏レイソル(2004年)
5)水本裕貴
ガンバ大阪 → 京都パープルサンガ(2008)
4億円
1位の清武選手は、セビージャで出場機会を失っているところを古巣セレッソに買い戻された格好に。
セレッソとしても大きな買い物だったようだが、選手育成に力を入れ、長い目で選手と付き合うスタンスのセレッソならではの取り計らいだ。
やはり中田英寿はすごかった
以上、海外日本人選手、海外スター選手、Jリーガーと、ある種選手の価値を示す「移籍金」を見てきたが
日本人では実績も含め、中田英寿選手が頭一つ抜きんでている。
それでも移籍金世界一のポール・ポグバはその3.5倍というのだから、まだまだ世界は広い。
今後も中田選手を超え、世界にとどろくような日本人選手が出てくることを期待したい。